仙台の恩師を捨ててカナダのキムヨナ元コーチのオーサーのところへ

●「ISUから好かれているオーサーが試合にいることで、ジャッジの心情として『彼の生徒なら』という好印象も確実にあると思います」(2015/12/15 サンデー毎日)
ttp://mainichi.jp/sunday/articles/20151214/org/00m/040/039000d
そんな羽生の「強さ」を語る上で欠かせないのが、カルガリー冬季五輪銀メダリストのブライアン・オーサーコーチの存在だ。羽生は2012年、オーサー氏に師事すべくカナダ・トロントにある「クリケット・スケーティング&カーリングクラブ」に拠点を移した。
「オーサーは何でも自分でやろうとせずにチームを組んで、適任者に任せることができる。例えば元アイスダンサーのトレイシー・ウィルソンは、どのようなステップ構成が高いレベルを取れるかということを熟知している。また、ISU(国際スケート連盟)から好かれているオーサーが試合にいることで、ジャッジの心情として『彼の生徒なら』という好印象も確実にあると思います。そうした人徳のプラスアルファもあります」(ノンフィクションライター田村明子氏)

●突然のコーチ変更(地方紙 2014/2/24)


恩人として感謝する前コーチの阿部さんとの出会いを、スケート人生の転機に挙げた。
ただし「そう言っていいのは分からないけれど」と少しはばかるように。
ジュニアより下のノービス時代から5年以上師事してトップ選手の仲間入りを果たしたが、
2年前に突然の別れを告げたからだ。(中略)
阿部さんとともに初出場で銅メダルを獲得した世界選手権から、
わずか1ヵ月後のコーチ変更だった。阿部さんはショックを受け、
オーサー氏も「前のコーチといい関係だったし、オファーに驚いた」と振り返る。

●元コーチの指導とプログラムを見下す(Number817 2012/11/22)
>「去年はジュニアの滑りだったけど、今はトップと争えるスケートをしてるっていう実感」
>「俺はね、一流になりたいんです。格を身につけたいっていうのかな。
>『絶対王者になる』なんて言ってた頃は、若かったんですよ。
>無理に背伸びして表彰台に指の先がかかってる、っていうのじゃ嫌なんです」
>「トロントに来なかったら何も変わらなかった。
>4回転サルコウの確立も低くて、プログラムもジュニアのままだった」
>「納得の演技ができれば、って言う傾向があるけど、本当は勝ちたいでしょ」

●海外に行く選手は真の日本代表という感じがしない(河北新報 2010/3/20)

http://wayback.archive.org/web/20100324115110/http://www.kahoku.co.jp/news/2010/03/20100320t14013.htm
「今の練習環境を変えたくなかった。多くの日本選手は海外に行っているが、
真の日本代表という感じがしない。本当の日本代表、宮城県出身選手として大会に出たい」

●「行くって決めた後は、ワクワクしてきました」(Cutting Edge 2012+Plus 2012/7/27)
「新しいコーチに見てもらえる、その話が出たのは、世界選手権が終わってすぐのこと。
けっこう、バタバタでしたね。
カナダに行くこと、オーサーコーチに習うこと…。
去年習いに行ったモスクワのナタリア先生たちのところへ、って話も実はあったけど、モスクワはソチまではちょっと難しい、と。
他にも『こっちに行ったら?』『あっちへ行ったら?』って声も、いろいろかけていただきました。」

「僕自身も、『いつかは外の世界で学んでみたい』と思ってた。
(中略)
世界選手権で結果を出して、さあこれから改めてソチ、ピョンチャンを目指そうという時。
『ここで新しい環境に変わるのはいいかな、海外に出るにはちょうどいいかな』って気持ちになりました。
それにオーサーコーチのいるクリケットクラブのことは、
前から『ワールドフィギュアスケート』の記事を読んで、知ってたんです。
『こんなリンクで練習してみたいな』って気持ちもすごくありました。
だから行くって決めた後は、ワクワクしてきましたね。
『これからここの先生に見てもらえるんだ!』って未来を、すごく感じたから」

●「本当は仙台にいたかった」(日刊スポーツ 2014/2/16)
http://www.nikkansports.com/m/sochi2014/figureskate/news/p-sochi-tp0-20140216-1258302.html
4歳から通ったアイスリンク仙台。出発直前、あいさつに行った。
「いってきます」の短い言葉。それが限界だった。終えるとそのまま、靴の刃を研磨してくれる隣の店へ。その奥の小さな部屋で泣き崩れた。長く、悲しい時間。
「僕は行きたくないんだ…」。